過失相殺(過失割合)と損益相殺
1 過失相殺(過失割合)
交通事故において、当事者一方だけが100%悪いケースというのはあまりありません。たとえば、自動車と自動車がどちらも動きながらぶつかった場合、多かれ少なかれ、どちらにも過失があります。
そうした過失の程度・割合に応じて、双方の過失割合というものが決まります。
たとえば、被害者側にも30%の過失がある、と判断されると、この過失割合に従って「過失相殺」がされます。この場合、簡単にいうと、損害賠償額の30%がカットされてしまうということです。
この過失割合については、弁護士や裁判所の間では、一定の事故類型をまとめた本(「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」別冊判例タイムズ)が参考に使われています。保険会社もこの本を相当程度の事故類型がまとまっているので、これを基準として割合提示をしてきます。
過失割合に疑問を持ったら弁護士に相談して下しさい。
2 損益相殺
被害者が事故をきっかけに利益を得た場合に、損害賠償額からその利益が引かれることがあります。これが損益相殺です。
たとえば、自賠責保険を受領していた場合、この受領額が賠償額から引かれるのは当然です。その他、遺族厚生年金等の様々な給付が問題となりますが、給付の性質等から個別に判断されます。