解雇・退職勧奨に対抗する準備

 

1 解雇に対抗する準備

突然の解雇、しかし納得できない。そういう場合、解雇に対抗するためにできることはないのでしょうか?

 

① 復職の意思を明確に示す。

会社に対して,解雇が不当であることを明確に訴えることが大切です。
「解雇は不当である。自分は会社に戻りたいんだ!」と伝えることです。
できれば書面(内容証明がベター)で行うべきです。

 

② 解雇を受け入れるような行動はとらない。

①の裏返しですが、解雇を受け入れてしまうと,その後に解雇を争うことが難しくなることがあります。

 

解雇された後に退職金を請求したりすると,解雇を争わず,退職することを受け入れたかのようにみなされてしまい,後に解雇を争うことができなくなる可能性があります。注意が必要です。

 

③ 解雇と失業保険・解雇と再就職

かといって,生活の基盤は確保する必要はあります。
解雇されてしまうと、そこから給料がもらえなくなってしまい,生活をすることすら難しくなってしまうことがほとんどです。

 

これでは裁判等をやって不当解雇を争っていくことも大変です。

生活する術もない場合、失業保険の給付を受けましょう。失業保険を受けたからといって、解雇を受け入れたとはみなされません。
再就職は微妙な問題ですが,別会社に就職が決まった場合,ケースによっては、「復職する気が無い」とみなされてしまう危険はありますので、注意が必要です。

 

2 退職勧奨に対抗する準備

① 安易に受け入れない。

退職勧奨は,会社からの退職の申し込みにすぎません。応じる義務はありません。
辞めたくなければ「辞めない」という意思をハッキリ言うことが重要です。

 

その場を切り抜けるため、「家に帰って家族と相談する」と時間を稼ぐことも大切です。勢いに押し切られて、 退職届、退職願にサインすると後が大変です。

 

退職届や退職願は、「任意に辞めた」という重要な証拠になってしまいます。

 

② 記録を取っておく。

退職勧奨はやりすぎると違法になる可能性があります。拒否しているのに、何回も呼び出し、数人で取り囲んで勧奨し続ける等のケースです。

 

また、万が一退職勧奨に応じてしまったとしても、たとえば、「これに応じないと解雇するぞ!(本当は解雇理由はない)」と言って退職届作成を強要したケースなどでは、錯誤・脅迫によって無効になる可能性があります。

 

ただ、退職勧奨は密室でなされるのが通常で、後に争っても、「言った言わない」の水掛け論になることがとても多いです。ですから、退職勧奨の防御策としては、しっかりと記録をとっておくことが重要です。せめて、その日に言われた具体的な言葉を克明にメモしておくことです。

 

 

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